マチュア世代のセカンドキャリア(座談会)Ⅰ&Ⅱ                        2017.5.27&6.1開催


 均等法から30年がたち、男性と同等に働いてきたマチュア世代の女性たちが、これから定年を迎えていきます。そんな女性たちがこれからのセカンドキャリアをどう意識しているのか、今年の始めにアンケートを実施しました。(※昭和女子大 現代ビジネス研究所 研究員としてのアンケート実施)

 

 今回は、そのアンケート結果のご報告をもとに、セカンドキャリアについて皆さんと一緒に考える座談会を開催しました。

 

 座談会は2回に分け、座談会Ⅰは土曜の午後に女性のみで、座談会Ⅱは平日の夜に男性にも加わっていただいての開催でした。※2回とも座談会の内容はほぼ同じ内容です。

 

【Part1】 アンケート報告

 

 まずは、女性に実施したアンケート結果の報告から。

 

 マチュア世代の働く女性たちが将来に対して不安があるのは、将来像とそこへのシナリオが描けないからではないか?と仮説を立て、企業に勤める40代から60代の働く女性たち100人超にアンケートを実施。

 

 回答者のプロフィールは以下のとおりです。

 

マチュア世代の働く女性アンケート 回答者プロフィール

 

 

 働くということについては、「働くことは好き、でも人生を楽しむゆとりも欲しい」という彼女たち。

 

働くことは好き、でも人生を楽しむゆとりも欲しい

 

 こんな彼女たちに

  • 不安と将来像との関係
  • 不安の中身
  • 3要素と将来像との関係
  • 不安と属性の関係
  • 将来像を描くために必要なもの

 

 などをお聞きした結果を報告。

 

将来像と不安との関係
将来像と不安との関係
マチュア世代が将来像を描くのに必要なこと
将来像を描くのに必要なこと(クリックして拡大)

 

 次に男性にもまったく同じアンケートを実施したので、男女の比較をご報告。

ただ男性については、有効回答数が少なく、プロフィール的にも偏りがあったのが残念でした。

 

 

 面白かったのは、女性は別の会社(またはNPOなど)で働きたいという方が多い中、男性は今の会社で継続したいという方が多いという結果だったこと。

アンケート結果から、男女の違い
男女の比較(クリックして拡大)

【Part2】全体ディスカッション

 

 続いては全体ディスカッション。

 

 アンケート結果を受けてみんなで話したい内容や

聞いてみたい質問など、各自、ポストイットに記入していただきました。

 

 テーマとしては、アンケートから見えてきた以下のキーワード

「経済」「介護」「健康」「自分探し」「先輩の話」(座談会Ⅱのみ「男女の違い」も)

 

 

 これらについてポストイット1枚に1件記入したものをホワイトボードに貼りだしてみんなで議論。

ここでは、その一部を少しだけ、ご紹介します。

 

◆経済

 

 座談会ⅠもⅡも「経済」つまり「お金」についてがやはり一番多かったです。 

  • 年金で暮らしていけるのか
  • 定年後に収入を得る方法が知りたい
  • 一般論ではなく「私の場合」はどうなのか

 

 専門家に相談するには高い相談料が必要になるのではないか?

あるいは、金融商品を売りつけられるのではないかと不安だという声もありました。

 

 今後、大きな経済環境の変化がありそうなので今の情報は役に立たないのでは? 

などという声もありました。

  

ポストイットをもとに議論
ポストイットをもとに議論 (座談会Ⅰ)

◆介護

 

 続いて「介護」の問題 

  • 親の介護が必要になったら、どうしていいかわからない
  • どこに相談したらいいのか、わからない。
  • 親の介護で自分の資金がなくなってしまうのではないか?
  • 介護負担の少ない自治体を知りたい

 

 実際、介護問題は直面してから始めて調べる人が多いようで、介護の状況も人それぞれですし、なかなか事前に勉強しておくというのは難しそうです。

 

◆健康

 

 健康寿命について簡単にご紹介したら、皆さん実感。

「後期高齢者」と呼ばれる75歳がキー

健康維持の方法を知りたい。何をすればいいのか。という声が多くでました。

 

◆自分探し

 

 「自分探し」についても、いろいろと話題が上がりました。

  • 自分の市場価値を知りたい
  • 自分は何にむいているのか、何ができるのか知りたい
  • 自分のできることを探す手伝いをして欲しい
  • 世の中のニーズを知りたい

 

 これらはいわゆる、Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must/Market (市場性)

 

 起業の仕方を知りたいという声もある一方で、大学で学び直したいという意見もありました。

 

 偶然ですが、座談会Ⅰでも座談会Ⅱでも「インターンシップ」という単語がでてきました。

ロバート・デ・ニーロ主演の映画「マイ・インターンシップ」のような、シニア世代のインターンシップが

現実の日本社会でも実現するといいなあと思います。

 

◆先輩の話

 

 「先輩の話」については、

  • 苦労したり、いろいろ悩みを経験された人の話を聞きたい
  • 定年後の方が幸せという人の話を聞きたい

 

 先輩たちのご苦労は参考にしたい一方で、これから迎える定年後に「夢」や「希望」を持ちたいですから・・・

 

◆男女の違い

 

 座談会Ⅱだけは、最後に「男女の違い」をテーマにしました。 

  • パートナーとの定年後の付き合い方
  • 現実的に相手のことが心配 

 

という声もありました。

 

 実は「男性の定年」と「女性の定年」には違いがあるのか、を知りたい思いが主催者側にはありましたが、残念ながら今回はそんなに大きな違いは議論になってきませんでした。

 

 

【Part3】個人ワークとダイアローグ

 

 最後にのセッションではお題を出して、まずは個人で考えて各人ワークシートに書き出していただきました。

 

Q1: あなたが描く自分の定年後の理想の姿は?

Q2: それを実現するための準備として何が必要でしょう?

Q3: 準備のために提供されるサービスとしてどんなものがあったら嬉しいと思いますか? 

 

 

グループワーク
グループワーク(座談会Ⅰ)

 続いて、それぞれ2つのグループに分け、

Q1~Q3をグループ内で議論して最後に発表していただきました。

  

 話が盛り上がって、なかなか発表シートにまとめられないグループやどんどん話ながら図式化していくグループなど、様々でした。

 今回、座談会ⅠもⅡも、みんなで議論するには人数的にちょうどいい感じでしたが、内容が多すぎてそれぞれのテーマをもっと深堀りして議論したかった、というのが反省点。

 

グループワーク発表
グループワーク発表(座談会Ⅱ)

  

  定年後に対する考え方は人それぞれですが、それでも他の人がどんなふうに考えているのかをお互い話し合うことは、とても参考になるように思います。

 

 皆さん、最後は「楽しかった」「参考になる意見が聞けた」「もっと時間が欲しかった」「もう一度同じテーマで開催して欲しい」と言ってくださいました。  

 

 また、開催したいと思います。

参加してくださった皆様、どうもありがとうございました!

座談会Ⅰ参加メンバー
座談会Ⅰ
座談会Ⅱ参加メンバー
座談会Ⅱ


■ プレゼンター:

・ 昭和女子大 現代ビジネス研究所 研究員/  Office Endo 代表 遠藤 佳代子

・ 昭和女子大 現代ビジネス研究所 研究員 / Never too Late! 代表 西村 美奈子

 

■ 開催場所:ギークオフィス恵比寿